松永安左エ門は1917（大正6）年7月5日付で福岡市東中洲にあった九州電灯鉄道の本社を、天神町58（現在の天神ビルの場所）に移転。
鉄筋コンクリート3階建ての新本社ビルは、竣功当時福岡市最大の建築物として威容を誇り、屋上の時計台は天神町最初のシンボルとして永く市民に親しまれた。
ブラタモリ#18 福岡と鉄道編で紹介された通り、松永は天神の可能性にいち早く着目。２つの路面電車が交差する天神町交差点に本社を移し、
その後に開業させる九州鉄道（西鉄天神大牟田線の前身）の始発駅・福岡駅をビル向かいに置くことを計画。いわば現在の天神発展の先駆け的ビルであった。
このページでは、九州電灯鉄道（のちの東邦電力）ビルの竣工当日の貴重な写真群をご紹介します。

写真所蔵・執筆：益田啓一郎（福岡近代史研究家／西日本鉄道110年史「天神発展史」ほか執筆／ブラタモリ案内人／アソシエ地図の資料館主宰）