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オールド観光案内図コレクション/鹿児島県 |
鹿児島県「鹿児島県鳥瞰図」
吉田初三郎 画 鳥瞰図サイズ:770×177mm
発行:鹿児島県・昭和6年4月1日・表面カラー刷/裏面1色刷・印刷折本 ※絹本原画を地元で捜索希望。 |
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�拡大図はこちら 大正広重と呼ばれた鳥瞰図絵師・吉田初三郎作。独特のデフォルメで錦江湾と桜島を中心とした鹿児島県全体を描く。大阪毎日新聞社が公募した「日本八景」を経て、国立公園の制定前であることから、本図の裏面に記された「絵に添えて一筆」にも国立公園の指定をめざす意気込みが伝わってくる。結果として初三郎が強く推した九州の霧島及び雲仙は国立公園の第1号指定を受ける。1号指定の3つのうち、九州が2つを占めていることも特筆すべき点であり、初三郎の鳥瞰図や昭和6年に福岡日日新聞上で21回にわたり初三郎自身が連載した「国立公園としての九州の価値」、大阪毎日新聞に13回にわたり連載された「新鹿児島十三景」等、踏査取材を経ての執筆文の影響も多分にあったと思われる。
また、鹿児島新聞には初三郎が踏査取材中、連日踏査状況・執筆状況が記事で取り上げられ、初三郎が唐人お吉の墓探し中に木曽川治水にかかる薩摩義士の墓を発見したことなども大きな記事となっている。この図の絹本原画は2点存在したようで、1点は県庁知事室に掲げられると当時の記事にある。
また昭和10年に久留米市で開催された初三郎展に熊本県などの原画とともに展示されており、こちらが印刷版の原図であったようだ。戦時、初三郎所有の肉筆鳥瞰図の多くは「スパイ的資料」との見解から軍に没収処分されたものも多い。また鹿児島市も戦災に合っているが、久留米市の例のように辛うじて市庁舎が残り原画が無事だった例もあるので、地元で発見できれば幸いである。当時、国立公園の選定に向けて鹿児島県では県全体で複数の初三郎鳥瞰図を依頼作製している旨が新聞記事等に出てくる。屏風絵として「開聞岳」を描き各地の展覧会・博覧会に鹿児島宣伝のために出品されており、その図の行方も気になる。 |
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