オールド観光案内図コレクション/熊本県
菊池御案内「菊池案内鳥瞰図」
吉田初三郎 画 鳥瞰図サイズ:700×170mm
発行:菊池郡北部教育会 昭和6年・表面カラー刷・印刷折本 ※藤本一美氏より画像提供 
※絹本彩色原画を捜索中!情報求む




�拡大図はこちら 大正広重こと、鳥瞰図絵師・吉田初三郎の作品。県内作品「熊本県」「阿まくさ」「牛深」などと共に同年の陸軍特別大演習に合わせ制作。今は廃線となっている菊池・隈府への軌道や、植木から山鹿への軌道も描かれ、また制作が教育会なだけに交通網だけでなく、周辺の古跡・古城跡も目立つように描かれている。当時は「菊池渓谷」の名勝は定着しておらず、裏面解説には「菊池川水源」とあり、「隈府駅より四里二十町、銷夏納涼の地として遊ぶ者多く、熊本十大避暑地の首位を占めている。」と紹介されている。初三郎が必ず印刷物に記載する「絵に添えて一筆」では有名な頼山陽の詩を紹介し、菊池川上流から阿蘇・大観峰へと続く山河の景勝史蹟の豊富さは肥後随一だと持ち上げる。国立公園選定へ向け、同年には福岡日日新聞などに初三郎の論文「国立公園として九州の価値(21回)」「特別大演習と熊本の魅力(12回)」が連載され、この中で九州観光の要として菊池の魅力や史蹟・景勝を詳細に伝えている。この図の絹本原画はいずこに?
 後年、終戦を同県佐敷(芦北町)で迎えた初三郎は、郷土の作家・城義臣氏を通じて菊池神社への献納作「菊池史蹟図」を描いており、菊池神社の資料館で見ることができる。昭和21年春に献納されたこの作品はまさに初三郎の戦後復帰第一作であり、敗戦の混乱と虚脱感の中で自問自答しながら描いたこの図は、後に「広島原爆八連図」をはじめとする戦後の涅槃図のような作品群の先駆けとなった。洗練された構図の中に、毅然とした重厚感が漂う名品、必見である。

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