オールド観光案内図コレクション/長崎県
景勝の長崎「景勝の長崎」
吉田初三郎 画 鳥瞰図サイズ:770×177mm
発行:長崎市観光協会 昭和9年表面カラー刷/裏面1色刷・印刷折本




�拡大図はこちら 大正広重こと、鳥瞰図絵師・吉田初三郎の作品。戦前、被爆前の長崎市街の様子を詳細に描く。同年3月から開催された「長崎国際観光博覧会」に合わせての製作である。市街地を中心に建物まで詳細に描かれており、戦前の長崎市を知る上で貴重な資料である。
 この印刷物の原画と思われる肉筆画(絹本彩色原画)をこのほど入手。印刷物は原画をもとに初三郎工房専属(観光社)の製版工が印刷版を製作しているため細部は微妙に異なる。描かれた時期については、初三郎が残した新聞記事スクラップや観光社の年度別製作目録などの資料から、昭和6年後半から8年にかけてである事が判明(昭和6年新聞記事に踏査取材をしている様子が掲載)。観光社昭和8年製作目録に掲載されているが実際の発行は翌昭和9年1月。それを裏付けるように、原画に描かれている「日華連絡船発着所」は、昭和7年満州国建国に伴い印刷版では「日満連絡船発着所」に訂正される等、文字の訂正が見られる。保存状態が良い事から当初は戦後の作かとも考えたが、細部に描かれた目標物等は全て戦前のものである。また印刷物には右上に小さく短冊の「初三郎」落款が入っているが、原画には落款が無い(印刷物落款は後から挿入)。踏査取材と構図は初三郎が描き、実際の彩色等仕上げは弟子で後に二代目となる吉田朝太郎が描いている。�絹本原画はこちら

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この印刷物の原画です(地図の資料館所蔵)


原画の中央部分(原画サイズ/幅190cm×天地60cm・絹本彩色
浦上天主堂などの部分
長崎港付近。長崎港駅と日華連絡船発着所表記が見える。また県庁や眼鏡橋なども詳細に描かれている。
三菱長崎造船所なども見える。

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