オールド観光案内図コレクション/山口県
下松市「下松の産業と観光鳥瞰図」
吉田初三郎 画 鳥瞰図サイズ:300×110mm
発行:下松市役所・昭和24年市勢要覧 ※コピー(藤本一美氏提供)




�拡大図はこちら 大正広重こと、鳥瞰図絵師・吉田初三郎の作品。戦後、光市にあった渡辺印刷を経て初三郎の観光社が受注し製作された。小型の市勢要覧の折り込み図であるが、原画の繊細なタッチが印刷でも活かされた好品である。翌年発行の「宇部市」や「竹原市」などと同時期に実地踏査取材が行われた。観光社を継いだ阿瀬家に残る原画のなかに鞆の浦を描いた原画があるが、これも画風やタッチが戦後の同時期のものである。これらの図の多くは光市の渡辺印刷に設けられた仮画室で構図やラフ画が決められ、京都の画室へ持ち帰り仕上げられて渡辺印刷へ運ばれている。弟子で戦後独立した中村滋郎の日記中に、この年に渡辺印刷へ滞在しお世話になったとの記述がある(後年回顧文)。この図の印刷版を見る限り滋郎の画風に似ているようで、この時期に大病を煩った初三郎の手助けをして滋郎が踏査取材や仕上げを担当した可能性も高い。同年の山口県内の「青海島」「宇部市」「下関市」とも同じ画風で、同様に初三郎をサポートした二代目・吉田朝太郎の画風とは微妙に異なる。この図および表紙図の絹本原画は地元に残るのだろうか?

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