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第3回 地図の歴史(その1)〜日本の古地図・伊能図編〜
今回の地図の学校は、地図の歴史についてお話しします。
日本に現存する最古の地図のお話しや、日本地図の世界に大きな影響を与えた伊能忠敬について学びましょう。

最初の日本地図?!
 日本で最初に作成された地図として記録が残っているものは、大化の改新(645年)で土地の測量を行なった時の田や国有地を記したといわれる「田図(でんず)」だといわれていますが、残念ながら実物は残っていません。
 現存しているもので最も古いのは、天平勝宝3(751)年の「東大寺領近江国水沼村墾田図」という地籍図(図1)です。これは絵地図で、必ずしも正確なものではありませんが、以降の村地図に大きな影響を与えたといわれています。
 平安時代になると、「行基図」(図2)と呼ばれる筆で書いた日本地図が作られるようになります。行基は奈良時代の僧で、全国をまわって地域の開発につくした人といわれていますが、彼が本当に行基図を作成したかどうかは証明されていません。
 この行基図は正確な測量に基づいたものではなく、日本列島の形や国の形も非常に大ざっぱです。それでも、それぞれの国の位置関係がわかるだけでなく、一目で日本のどの辺りにあるのかがわかる大変貴重な情報で、江戸時代初期まで何枚も作られました。
(図1)日本最古の地図といわれる開田図
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(図2)行基図の一例
★行基図の一部が見られます
 http://users.hoops.ne.jp/a-fujituka/demae2/history-3.htm

日本地図界のヒーロー・伊能忠敬
 江戸時代になると、西洋からもたらされた天文学と測量技術が、地図の発展に大きく役立ちます。その代表が文政4(1821)年に完成した「伊能図」です。
 伊能忠敬(1745〜1818)は、50歳になってから家業の酒屋を隠居して天文学と測量学の勉強をし、56歳になって奥州街道から蝦夷地(今の北海道)南部の測量を行いました。彼は緯度経度を天体測量ではかり、地図の上に基準となる位置を正確に書きこみ、更に実測によって距離をはかり記録して行きました。こうして、日本最初の科学的で正確な地図ができました。
 その後、彼は幕府の要請を受けて、20年近い歳月をかけて日本全国の海岸を歩き、最初の本格的な日本地図を作成しました。測量日数は3736日、歩いた距離は約4万キロ(なんと地球一周の長さ!)近くにも達します。
今の地図みたいにカタチがはっきりしてるね。
(図3)伊能図の一部

 しかし、一部未完成の地域を残したまま忠敬はこの世を去り、その後は彼の測量術の先生の息子でもある高橋景安が受け継ぎ、文政4(1821)年に「大日本沿岸輿地(よち)全図」と「実測録」が完成、幕府に献納されました。これが後に「伊能図」と呼ばれるものになります(図3)。
 この「伊能図」は、3万分の1、21万6000分の1、43万200分の1の3サイズあり、大きい縮尺のものは214枚、中で8枚、小で3枚に描かれており、すべてが手描きの彩色付き。海岸線が克明に描かれ、街角や町村名も精密に記入されていて、山頂や島など遠方に至っては方位線まで記入されているという正確なものでした。
 江戸城に納められた「伊能図」は、その後、たび重なる火災で正本・副本を焼失しましたが、写本(もとの正本を写したもの)が残っていたり、イギリス・フランス・イタリアなど外国で偶然発見されるものもあり、「伊能図」はその大半を今でも見る事ができます。つい最近、このうちの小図3枚が発見され話題になりましたね。
 江戸の末期に作られた「伊能図」でしたが、明治以降になっても日本地図作成にたびたび利用され、最後の版はなんと昭和4(1929)年まで陸軍などで測量に利用されていました。「伊能図」は江戸・明治・大正・昭和と時代を超えて活用されたのです。

「伊能図」をもっと見たい方は
徳島大学付属図書館 貴重資料 高精細デジタルアーカイブ
岐阜県図書館・世界分布センター「古地図の世界」
 日本全図より『官板実測日本地図』が見られます。
古河市歴史博物館 特別陳列 伊能図
 『日本東半分沿海地図(部分)』(伊能図)のほか『日本国絵図』(行基図)も見られます。
伊能大図(甲斐・駿河)
 甲斐・駿河の部分的確大図が見られます。
忠敬茶屋
 伊豆半島の一部分が見られます。その他、伊能忠敬に関する書籍や地図の販売もあります。

その他、ミュージアムのコーナーでも古地図の閲覧可能サイトを紹介しています。

(あとがき)
 今回は、地図の歴史(その1)〜日本の古地図・伊能図編〜を勉強しました。今、全国各地で伊能忠敬ブームがおこっています。伊能図の展示会や関連書籍の出版、演劇やテレビでの特集、切手の分野まで伊能忠敬を取り上げた物が多くなり、新しい伊能図が最近発見されたこともあり、まだまだこのブームは続きそうです。
 古地図の世界も以前より簡単に情報が手に入るようになってきました。とても高価で手が出ないと思われている古地図ですが、種類や価格も様々で趣味として楽しまれる方も増えています。人文社のような古地図の復刻版を発行している出版社もありますし、デパートや書店の催事で古地図展も度々開催されているようです。
 あなたも是非、「古地図」にもっと触れ合い、歴史のロマンを感じて見ませんか?

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